Health & Cureクリニック 赤坂

Health & Cureクリニック 赤坂

院長ブログ

起立性調節障害を得意とするクリニック

食べたものが、子どもの未来の体をつくる ―― 山口里恵が考える、栄養教育と子ども医療 

2026.8.14

子どもの不調を診るとき、Health&Cureクリニック赤坂では、症状だけを見るのではありません。

朝起きられない。
頭が痛い。
だるさが続く。
学校に行けない。
気分が落ち込みやすい。

そうした症状の背景に、どんな体の状態があるのか。
何が足りていて、何が足りていないのか。
腸内環境はどうか。
食事は、日々の生活の中でどこまで整えられているのか。

山口里恵院長が大切にしているのは、子どもの今の症状を抑えることだけではありません。

これから何十年も生きていく子どもたちが、自分の体を守りながら成長していけるように、体の土台を整えること。

その中心にあるのが、食事と栄養です。

今回は、山口院長が考える「栄養教育」と「子ども医療」について伺いました。

食べたものが、体をつくっている

―― なぜ、子どもの医療で食事をここまで大切にしているのでしょうか?

「一番根本にあるのは、“食べたものが体をつくっている”ということです。

これは当たり前のようで、実際の生活の中では忘れられやすいことでもあります。

子どもたちは、これから何十年も生きていきます。
その長い人生を支える体を、今まさにつくっている時期なんですね。

だから、今の食事は、今の体調だけではなく、未来の体や心にもつながっていると思っています。

しっかりした食べ物を入れて、しっかりした体をつくる。
その体を土台にして成長して、大人になってからも健康を保っていく。

そう考えると、食事は単なる生活習慣ではなく、子どもの未来を支える大事な医療の一部だと思うんです。」

症状の奥にある「体の土台」を見る

―― 起立性調節障害や不登校の子どもたちにも、栄養は関係しているのでしょうか?

「もちろん、すべてが栄養だけで説明できるわけではありません。

でも、診療していると、朝起きられない、だるい、頭痛がある、気分が不安定というお子さんの背景に、鉄不足、タンパク質不足、腸内環境の乱れなどが関係していることは多いと感じています。

たとえば、鉄が足りなければ、エネルギーをうまくつくれません。
タンパク質が足りなければ、体をつくる材料も、心を支える材料も不足してしまいます。
腸内環境が乱れていれば、せっかく栄養を摂っても吸収しにくくなります。

だから、症状だけを見て“朝起きられない子”と考えるのではなく、その子の体の中で何が起きているのかを見てあげることが大切なんです。

気持ちの問題で片付ける前に、体の土台を見てあげたい。
それが、私が診療で大切にしている視点です。」

知識だけでは、生活は変わらない

―― 栄養の大切さを伝えるうえで、難しさを感じることはありますか?

「あります。

診察室では、できるだけたくさんのことを伝えたいと思っています。

鉄をどう摂るか。
タンパク質をどう増やすか。
ボーンブロススープをどう使うか。
味噌汁や卵をどう取り入れるか。

でも、診察の時間は限られています。
私がどれだけ一生懸命お話ししても、情報量が多すぎて、患者さんやご家族が家に帰ってすぐ実践するのは難しいと思うんです。

“いいことはわかったけれど、実際にどうすればいいのかわからない”
“家で続けられる気がしない”
“忙しい朝にそこまでできない”

そう感じる方も多いと思います。

だから私は、栄養は知識として伝えるだけでは足りないと思っています。
生活の中で実践できる形にして、初めて意味があるんです。」

子ども自身が、自分の体を守れるように

―― 栄養教育という意味では、子ども自身に伝えることも大切なのでしょうか?

「とても大切だと思っています。

食事は、親が一方的に用意するものというだけではなく、子ども自身が自分の体を知っていく入り口でもあります。

自分は何を食べると元気になりやすいのか。
朝つらいときに、何を補えばいいのか。
疲れやすいとき、どんな食事が助けになるのか。

そういうことを少しずつ知っていくことは、その子にとって一生の財産になります。

たとえば、簡単なスープの作り方を覚える。
自分で塩むすびを作る。
味噌汁に卵を落としてみる。
補食を自分で用意してみる。

小さなことでもいいんです。

将来一人暮らしをするときにも役立ちますし、いつか自分の家族を持ったときにも、その知識は生きていきます。

子どもが自分の体を守る方法を知ること。
それは、治療の先にある大切な力だと思っています。」

食事は、家族全体で変えていくもの

―― 食事改善は、お母さんだけに負担が偏りやすい印象もあります

「そこは、私もずっと気になっています。

食事のことになると、どうしてもお母さんだけが頑張る形になりやすいんです。

でも、本当は家族全体で関わっていいことだと思っています。

お父さんが作れるようになってもいい。
子ども自身が、自分の朝ごはんや補食を用意できるようになってもいい。

学校に行けない時期があったとしても、体調に合わせながら、家の中でできることはあります。

それは“無理をさせる”ということではありません。
自分の体をつくることに、少しずつ参加していくということです。

家族みんなで食事を見直す。
誰か一人が抱え込むのではなく、家族の習慣として変えていく。

そういう形ができると、食事改善はずっと続きやすくなると思います。」

予防医療は、毎日の食卓から始まる

―― 山口院長が考える予防医療とは、どのようなものでしょうか?

「病気になってから治療することも、もちろん大切です。

でも、本当は、病気になる前に体を整えておくことがとても大切だと思っています。

子どものころから、鉄やタンパク質をしっかり摂る。

悪いものをなるべく身体に入れない。
腸内環境を整える。
朝日を浴びる。
睡眠のリズムをつくる。
自分の体に必要な食事を知る。

そうした毎日の積み重ねが、将来の健康につながっていきます。

予防医療というと、特別な検査や難しいことを想像する方もいるかもしれません。

でも、実際には、毎日の食卓から始められることがたくさんあります。

何を食べるか。
どう続けるか。
家族でどう支えるか。

そこに医療が関わる意味は、とても大きいと思っています。」

卒業したあとも残る力を

―― 先生が目指す「卒業する医療」ともつながりますか?

「はい。つながっています。

私は、患者さんにずっと通い続けてほしいと思っているわけではありません。

体が整って、元気になって、いつかクリニックを卒業していく。
それが理想です。

でも、卒業したあとも、その子の生活は続いていきます。

そのときに、何を食べれば体が整いやすいのか。
調子が崩れそうなとき、どう立て直せばいいのか。
自分の体に必要なものを、どう選べばいいのか。

そういう知識と習慣が残っていれば、卒業したあとも自分の体を守ることができます。

食事は、毎日のことです。
だからこそ、医療の中だけで終わらない力になると思っています。」

子どもの不調を、気持ちの問題だけで片付けない。
症状の奥にある体の土台を見る。
そして、食事や生活を通して、子ども自身が自分の体を守れるようにしていく。

山口院長が考える栄養教育は、単なる食事指導ではありません。

今の不調を支えるためのもの。
未来の健康をつくるもの。
そして、クリニックを卒業したあとも、その子の人生に残っていくものです。

毎日の食卓は、子どもの未来につながっています。

だからこそ、できることから少しずつ。
家族で無理なく、体を整える習慣を育てていくことが大切です。

少しでも症状に該当する場合は
お気軽にご相談ください

LINEで相談する

ご予約はこちら