管理栄養士とともに築く“食から整える”新しい医療のかたち
2025.8.12
診察室の中だけでは届かない声がある。
そんな思いから「Health&Cureクリニック赤坂」では、管理栄養士と連携しながら、家庭に寄り添う“伴走型”の栄養支援を行っています。
院長の山口里恵に、その取り組みと今後の展望について聞きました。
管理栄養士との連携で広がる医療の可能性
—— 院長が開業にあたって大切にされた「管理栄養士との連携」について教えてください。
「勤務医時代、診療の中で『食事の力』を強く感じていながら、管理栄養士さんと連携できないことにもどかしさを抱いていました。
だからこそ、開業にあたっては“栄養士との協力体制をつくること”を必ず実現したいと考えていました。
連携があることで、医療のアプローチが“その場限りの対処”ではなく“生活に根づく変化”へと変わっていきます。患者さんの『当たり前の食習慣』を見直すことが、時に医療的処置以上の変化を生む。栄養士との協力は、栄養療法を前に進めるための大切な鍵だと感じています。」

「料理教室」という新しいかたちの予防医療
—— 今後、クリニックで取り組んでみたい構想があるそうですね。
「その一つが“料理教室”です。これまで私は食生活をヒアリングし、レシピをチェックしながら改善点をお伝えしてきましたが、それでは“指導されている”という受け身の構図になりがちでした。
一緒に手を動かして料理を楽しむことで、患者さん自身が“体に良い食べ方”を体験として理解できるようになります。中高生であれば、自分で簡単な料理を作り、忙しい学校生活の中でも『自分の体を自分で守る』意識が芽生える。
さらに、お母さんを助けることにもなり、家族全体の健康意識が底上げされる好循環も生まれます。患者さんやご家族からも『もっと実践的な学びがあると嬉しい』『きっかけが欲しい』という声をいただいており、料理教室はその声に応える一歩になると考えています。」
管理栄養士が担う、静かで確かな役割
—— 栄養士の存在は、診療の場でどのように生かされていますか?
「診察では伝えたいことが山ほどあり、私が一方的に話しすぎてしまうこともあります。もちろん大事な情報なのですが、一度に受け止めきれるとは限りません。
そんなときに管理栄養士さんが、患者さんの理解のスピードに合わせて整理し直したり、私が伝えきれなかったニュアンスを補足したりしてくれます。さらに、家族の事情や生活パターンにまで目を向けて寄り添ってくれる。
医師ひとりでは届ききらない部分を補完できる関係性は、私にとっても心強く、患者さんにとっても大きな安心につながっていると思います。」

“食から整える”という医療のこれから
—— 最後に、院長が目指す「食と医療の関係性」について教えてください。
「『食で整える』という考え方は、理想論ではなくこれからの医療に不可欠な視点だと考えています。慢性的な不調や体質の問題には、日々の食生活の影響が色濃く出ているからです。
病気を治すだけでなく、『治る力を生活の中で育てる』。そのために、食べることを“治療の一部”として捉え、患者さんが生活の中で実践できる工夫を重ねていくことが求められます。
管理栄養士との連携は、まさに“治療と日常をつなぐ架け橋”。患者さんが『食べること』に前向きになり、生活そのものを整えていけるよう、これからも伴走していきたいと思います。」




