「もう来なくても大丈夫です」それが一番嬉しい瞬間
2026.5.14
「Health&Cureクリニック赤坂」では、起立性調節障害(OD)や不登校に悩む子どもたちの診療を行っています。
多くの医療機関では、長く通い続けることが前提になるケースも少なくありません。
しかし、山口里恵院長が掲げているのは、少し違う考え方です。
それは——
「卒業する医療」。
つまり、症状を抱えたまま通い続けるのではなく、
元気になってクリニックを離れていくことを目標にする医療です。
診療を続ける中で、実際に回復し、学校生活を取り戻していく子どもたちの姿を山口院長は数多く見てきました。
今回は、医師として最も嬉しい瞬間だという
「卒業していく患者さんたち」について、お話を伺いました。
卒業する医療を目指しています
―― 先生が目指している医療について教えてください
「私は、できれば“通い続ける医療”ではなくて、“卒業する医療”を目指したいと思っています。
もちろん診療は必要ですし、体を整えるための時間も必要です。
でも、本当の意味で体が整ったら、ずっと通い続ける必要はありませんよね。
血液検査の数値も安定していて、症状もなくて、学校にも通える。
そうなったら、もうクリニックに来る必要はない。
『もう来なくても大丈夫です』って言える状態が一番いいと思っています。
実際に、そうやって卒業していく子どもたちも少しずつ増えてきています。」

不登校だった女の子が、中学受験に合格した話
―― 実際に回復された患者さんの例はありますか?
「たとえば、小学校6年生の女の子がいました。
最初に来たときは、学校にほとんど行けない状態でした。
土曜日の半日授業ならなんとか1〜2時間いられる、という感じでしたね。
すでに起立性調節障害と診断されていて、
処方薬も飲んでいたんですが、あまり改善が見られなくて。
それで、いろいろ探して当院に来てくれたんです。
食事の内容を見直して、鉄やミネラルの補充をして、
酵素ジュースも取り入れてもらいました。
お母さんも本当に一生懸命で、
私がお渡しした食事のポイントの紙をキッチンに貼って、
生活全体を整えてくれたんですね。」
数か月で学校復帰
―― その後、体調はどう変化していったのでしょうか
「初診が5月だったんですが、
夏休みを過ぎた頃には体調がかなり安定してきました。
倦怠感も減ってきて、
『このままいけそうですね』という話をしていたんです。
そして9月になると、
学校にほぼ毎日通えるようになりました。
体調としても8割くらい元気。
そこからさらに状態は安定していって、
結果的にその子は——
第一志望の中学校に合格しました。
もう、本当に嬉しかったですね。」

体が整えば、通院は必要なくなる
―― そういった患者さんは、その後どうなるのでしょうか
「血液検査の数値が安定して、症状もなくなれば、
基本的には“卒業”になります。
たとえばフェリチンや亜鉛の数値が整えば、
鉄剤やサプリメントも必要なくなります。
腸内環境が整っていれば、
食事からしっかり栄養を吸収できるようになりますからね。
その子も、治療を終えて卒業しました。
酵素ジュースは健康維持のために続けてほしいですが、
医療としての通院はもう必要ありません。」
思春期の時間は、取り戻せない
―― 子どもたちの回復を見ていて感じることはありますか
「思春期の時間って、本当に大切なんですよね。
本来なら、
友達と遊んだり
学校に行ったり
部活をしたり
そういう経験をする時期です。
でも、起立性調節障害で体調を崩してしまうと、
その時間が失われてしまうこともあります。
だからこそ、できるだけ早く体を整えて、
元の生活に戻れるようにしてあげたい。
それが私の一番の願いです。」
「元気になったので、もう大丈夫です」
それが医者として一番嬉しい
―― 最後に、患者さんやご家族へ伝えたいことはありますか
「私は、患者さんにずっと通い続けてほしいとは思っていません。
むしろ、
『もう元気になったので、来なくて大丈夫です』
って言える状態になることが、
医者として一番嬉しい瞬間なんです。
もちろん、そのためには
食事や生活習慣を整える努力も必要です。
でも、ご家族と一緒に取り組めば、
体はちゃんと変わっていきます。
そして元気になったら、
ぜひクリニックを卒業してください。
そのとき私はきっと、
誰よりも嬉しい気持ちで送り出していると思います。」




