医師は“治す人”ではなく伴走者 — 私が診療で大切にしている立ち位置
2025.9.23
「病院に行けばお医者さんが治してくれる」
そう考えて来院される方は少なくありません。
しかし「Health&Cureクリニック赤坂」の院長・山口里恵は、その立ち位置をあえて変えています。
—— 「医師は治す人ではなく、患者さんが自分で回復できる力を引き出す伴走者でありたい」
今回は、その想いについて伺いました。
「治してもらう」から「自分で回復する」へ
—— 院長が“伴走者”という立場を意識するようになったきっかけは?
「実は、私も研修医になる前までは“医師が治す”と思っていたんです。けれど実際に現場に出てみて衝撃を受けました。薬で症状を抑えることはできても、根本的に治せない病気がとても多かったんです。
だからこそ、私は『医師は治す人』という立場から離れ、患者さんが自分で回復できる力を取り戻すお手伝いをする存在でありたいと思うようになりました。」
医師の役目は症状に“蓋”をすることじゃない
—— 西洋医学に対する問題意識もあったのでしょうか。
「西洋医学の現場では、症状が出たら薬で抑えるという対応が中心です。もちろん急性期や救急ではとても有効ですが、慢性的な不調や体質に関わる問題では十分ではないことが多い。
自分の無力さも含めて、『医師は症状に蓋をしているだけではないか』と感じてきました。そこで視点を変えて、『治す』のではなく『本来の力を取り戻すお手伝いをする』ことを診療の軸に据えるようになりました。」

主体性が回復を早める
—— 実際の診療では、どのように患者さんの主体性を尊重しているのですか?
「たとえば起立性調節障害の症状が落ち着いて学校に通えるようになっても、私から一方的に『卒業です』とは言いません。これからも取り組みを続けるか、どのレベルで健康を維持するかは、ご本人やご家族が決めることだからです。
中には、私が本当は『もっと続ければ薬も不要になる』と分かっていても、あえて強く勧めないこともあります。相手の生活状況や価値観を尊重し、選択肢を提示し、その中から選んでもらう。このプロセスが長い目で見たときに健康の自立につながると信じています。」
伴走者だからこそできること
—— “伴走する医師”にしかできない役割は何でしょうか。
「伴走する医師の役割は、ゴールまで引っ張ることではなく、進む道を照らすことです。『こうすればもっと元気になれるよ』という方法を提示しながら、患者さんと歩幅を合わせて進む。
たとえば酵素ジュースを一緒に作る。腸内環境を整える食事に取り組む。そうした日常的な習慣は、医師がいなくても続けられる『自分の健康をつくる力』になります。その力が身につけば、通院が終わっても元気でいられるんです。」
これからも、あなたと一緒に
—— 最後に、患者さんやご家族へのメッセージをお願いします。
「私は、医師は“治す人”ではなく“一緒に歩く人”だと思っています。だから診察室では押し付けることはしません。でも必要な知識や方法は惜しみなくお伝えします。
もし今、不調や迷いがあるなら、まずは一歩を踏み出してみてください。私があなたの伴走者として、ゴールまで一緒に歩いていきます。」




