起立性調節障害の診断は“検査より対話” —— 新起立テストを行わない理由
2025.6.24
起立性調節障害(OD)の診断に欠かせない検査として知られる「新起立テスト」。
しかし「Health&Cureクリニック赤坂」では、この検査を必須とはしていません。
なぜ検査を行わないのか、その背景と診療の進め方について、院長の山口里恵に伺いました。
起立性調節障害とは?
—— まず、起立性調節障害(OD)とはどのような病気なのでしょうか?
「ODは、自律神経の働きが乱れることで、立ち上がった際に脳への血流が不足し、めまいや倦怠感、朝起きられないといった症状を引き起こす疾患です。特に思春期のお子さんに多く、不登校や情緒不安定など、学校生活や家庭生活に大きな影響を及ぼすことがあります。」

「新起立テスト」を必須にしない理由
—— 一般的には「新起立テスト」が診断に使われますが、当院では実施されていないのですね。
「はい。当院でこの検査を必須としていないのには大きく3つの理由があります。
身体的負担が大きいこと
症状が強いお子さんにとって、立ち続けること自体が大きなストレスとなり、検査そのものが苦痛になってしまうケースがあります。丁寧な問診で十分な情報が得られること
当院では独自に設計した問診票と、時間をかけた対話によって、生活背景や症状を深く把握します。問診から得られる情報は非常に精度が高く、検査以上に診断に役立つことが多いんです。診療方針が大きく変わらないこと
実際のところ、新起立テストの有無で治療方針が変わることはほとんどありません。むしろ、貧血や甲状腺疾患など他の病気を除外することのほうが重要です。そのため当院では血液検査を重視しています。」
必要に応じて検査機関と連携も
—— それでも検査を希望する場合はどうなりますか?
「もちろん、『客観的なデータが必要』『学校に提出する書類に必要』といったご要望があれば、当院と連携している検査機関をご紹介しています。
特に堀切中央病院には専用機材があり、木曜日の午前中には私が検査を担当することも可能です。あくまで“希望がある場合”に対応できる体制を整えていますので、ご安心ください。」
対話を重視する診療スタイル
—— 検査をしない方針に、不安を感じる親御さんもいるのではないでしょうか?
「確かに、『検査をしない=不安』と感じられるのは自然なことです。
でも私が大切にしているのは、“検査ありき”ではなく、“対話ありき”の診療です。
症状の背景を丁寧に伺い、生活全体を見渡して診断や治療につなげていく。その積み重ねが、本当の意味での回復につながると考えています。」

家族と一緒に整えていく医療
—— 診療の中で意識されていることはありますか?
「ODはお子さんだけの問題ではなく、ご家族の生活や体質とも深く関わっています。ですから、栄養状態や生活習慣の見直し、酵素ジュースなどの取り入れ方も含め、家族ぐるみで改善していくことを大切にしています。
お母さん自身が『私も整えたい』と思ったとき、その変化はお子さんにも、そして家庭全体にも広がっていきます。」
親御さんへのメッセージ
—— 最後に、診断に迷っているご家族へメッセージをお願いします。
「もし『検査を受けたほうがいいのか』『診断が不安』と感じているなら、まずは気軽にご相談ください。
“検査をしないから不安”ではなく、“話を聞いてくれる医師がいる”という安心感を持っていただけたら嬉しいです。
私たちはお子さんの健やかな未来を一緒に考える伴走者として、どんな小さな不安にも寄り添っていきたいと思っています。」




