Health & Cureクリニック 赤坂

Health & Cureクリニック 赤坂

院長ブログ

起立性調節障害を得意とするクリニック

数字に騙されないでほしい ―― 食事のタンパク質を“吸収率”で考えるという視点 

2026.3.27

給食の献立表に書かれている「タンパク質〇g」という数字。
多くの保護者が、その数値を見て「足りている」「安心」と感じているのではないでしょうか。

しかし、「Health&Cureクリニック赤坂」院長・山口里恵は、
その“数字そのもの”に、以前から強い違和感を抱いてきたと言います。

診療の現場で見てきた子どもたちの不調。
そして、給食の内容を医師の目で見たときに浮かび上がる疑問。

今回は、
「給食のタンパク質は本当に足りているのか?」
というテーマについて、お話を伺いました。

「摂っている量」と「吸収できる量」は違います

―― 医師が給食表を見るときに考えていること

給食のタンパク質量について、先生はどんな点が気になっているのでしょうか?

「一番のポイントは、“摂取量”と“吸収量”はまったく別物だということです。
献立表に書かれている数字は、あくまで『含まれている量』であって、
体がその量をすべて吸収できるとは限りませんとは限りません。」

山口はそう前置きしたうえで、
給食表に並ぶ数字の“見えにくい側面”について語ります。

「特にタンパク質は、
どんな食材から、どんな形で、どんな腸内環境で摂ったかによって、
吸収率が大きく変わります。
数字だけ見て安心するのは、実はとても危険なんです。」

アミノ酸スコアと「桶の理論」

―― なぜ“表示通り”に吸収されないのか

吸収率の話で、よく出てくるのがアミノ酸スコアですね。

「そうですね。
タンパク質は、複数のアミノ酸で構成されています。
その中に必須アミノ酸があって、
一つでも不足していると、吸収はそこで止まってしまうんです。」

いわゆる「桶の理論」と呼ばれる考え方です。

「桶に水を溜めるとき、一番低い板の高さまでしか水は溜まらないですよね。
タンパク質も同じで、
一番少ないアミノ酸の量が“上限”になります。」

「給食表に書かれている総タンパク質量は、
すべてのアミノ酸を合計した数字です。
でも、実際に体に入ってくる量は、それよりずっと少ない可能性がある。
この点は、ほとんど知られていません。」

「足りているように見えて、足りていない」

―― 給食を見続けてきて感じる違和感

給食全体として、タンパク質は足りていないと感じますか?

「正直に言うと、
吸収率まで考えたときに“十分だ”と言い切れる献立は、あまり多くない印象です。」

「献立表上は基準を満たしている。
でも、それは“食品に含まれているタンパク質の量をただ足しただけ”の話。
実際に子どもの体に届いているかどうかは、別問題です。」

特に、思春期前後の子どもたちは、成長に伴いタンパク質の需要が一気に増えます。

「この時期に、
『給食があるから大丈夫』
『数字は足りているから問題ない』
と考えてしまうと、
慢性的な不足に気づけなくなってしまいます。」

牛乳への“過信”が生んでいるもの

―― 当たり前になりすぎた存在を見直す

給食といえば牛乳、という印象も強いですね。

「そうなんです。
多くの給食では、牛乳がタンパク質量の計算に大きく組み込まれています。」

「でも、
牛乳のタンパク質が本当にその子に合っているのか、しっかり吸収されているのか、
そこまで検証されているかというと、疑問が残ります。」

「ハムともやしのサラダ、チャーハン、牛乳。
これで『タンパク質15g』と書かれているのを見ると、
医師としては正直、『本当に?』と思ってしまいます。」

「牛乳がある=安心、
という前提自体が、
いつの間にか思考停止になっていないか。一度立ち止まって考える必要があると思っています。」

タンパク質不足と、思春期の不調

―― 診療の現場で見えてくるつながり

タンパク質不足は、どのような不調につながるのでしょうか?

「起立性調節障害、慢性的な疲労感、朝起きられない、集中力の低下。
こうした症状の背景に、
栄養不足、特にタンパク質不足が隠れているケースは少なくありません。」

「タンパク質は、神経伝達物質、ホルモン、血液、筋肉、すべての材料になります。
足りなければ、体は正常に機能できません。」

給食は“完璧”でなくていい

―― それでも「目指す方向」は大切にしたい

最後に、給食に求める役割について教えてください。

「給食ですべてを完結させようとは思っていません。
三食のうちの一食、それ以上でもそれ以下でもない。」

「でも同時に、
給食は“お手本”になれる存在だと思っています。」

「数字だけでなく質を見ること。
摂取量だけでなく吸収を考えること。
その視点が、給食から家庭へと少しずつ広がっていけば、子どもたちの体は、確実に変わっていくと感じています。」

少しでも症状に該当する場合は
お気軽にご相談ください

LINEで相談する

ご予約はこちら